−惚れ薬と足の指−
浮気ばかりしていた償いに、足の指を8本売って惚れ薬を買った。
親指1本だけでは、上手く立つことが出来なくて車椅子も買った。
車椅子に座って、今までの失態を彼女にあやまり、惚れ薬を渡した。
「もう浮気はしない。俺が浮気しそうになったら、それを料理に混ぜて飲ませてくれていいから…。
そうだ!今、飲もう君の目の前で永遠の愛を誓いながら一気に飲み干すよ」
そう言って僕は、よろよろ立ち上がった。
よろめく僕に肩を貸しながら彼女が言った。
「そんなことしなくていいわ。信用してる。もし、信用出来なくなったら料理に混ぜてあなたに飲ますわ」
次の日、彼女はベットから消えていた。惚れ薬と共に。
1年後、
風の噂で彼女が10才年下のアイドルと結婚した事を知る。
そして、僕は足の親指1本でも上手に立てるようになっていた。
[作]山田まるお
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