−猿の歌−


寒い夜と
カッコイイプロポーズの言葉が思い浮かんだとき
危うく結婚しそうになる。
家族にやさしくされた幼い頃の思い出は何故か悲しい
玄関から伸びた僕の影
向かいのおばさんがホウキで掃いて集めてる
チリトリの上で泣く僕の影
オレンジ色のゴミ箱に閉じ込められて もう声も聞こえない
TV見ながら本読みながら音楽聴きながら髪を伸ばしながらお金を貯めながら
小さい夢を掲げて笑って叶えて泣いて潰れてまた掲げて
それでも僕は
うんこは食べない
うんこは食べない
一回食った物は全部うんこだから二度と食べない
寒い夜と
カッコイイプロポーズの言葉が思い浮かんだときと
昔、付き合ってた彼女が不幸になってるって聞いたとき
危うく結婚しそうになる
危うく結婚しそうになる

[作]山田まるお


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