−運命の人-


女は学校でも有名な力持ちだった、りんごを片手で潰すこともできた。

長身で太っていて体重は150キログラム以上あった。
女は教室の中央に立って学校中に聞こえるほどの大きな声で言った。
「どこかに私を片手で持ち上げるほどの強い人がいるはずよ。きっとその人が私の運命の人だわ。
このクラスの男子は、みんな貧弱で頼りない束になってかかってきても負ける気がしないわ」
女は高笑いで、近くにあった机に腰を下ろした。その瞬間クラスの男子全員がその女に飛びかかった。
女は殴られながら世界中に響き渡るほど大きな声で助けをもとめた。
どこかにいるはずの運命の人にその声が届いたのか?届かなかったのか?そんな人がいたのか?いなかったのか?

女は学校終了のベルが鳴るまで殴られ続けた。

[作]山田まるお


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