−ウスバカゲロウ−



少年が歩いていた。
まっすぐな一本道をひたすら歩いていた。
すると前から鬼が歩いてきた。
少年は目を伏せて少し端を歩いた。
何事も無く鬼は通り過ぎた。

そして、また少年はひたすら一本道を歩いた。
すると前に女の人が歩いていた。
走りより、女の人と少し話をしながら一緒に歩いた。
そして、歩きながらSEXをした。
少年は男になった。
何回かSEXをしながら歩きつづけて、一本道は2つに別れていた。

男は女の人と違う道を歩くことにした。
その後、何回か鬼とすれちがったが、うまくやり過ごし、何回か女の人と一緒に歩いたり別れたりしたが、やがて気の合う一人の女とずっと一緒に歩くことを誓い合った。

2人の間に子供ができた。
歩きながら出産して、歩きながら育てた。

子供に鬼とのすれちがい方や女の口説き方を教えながら親子3人仲良く歩き続けた。

暗闇に光、薄羽カゲロウが飛んでた。「俺も長くねーな」と男は思った。
やがて道の先にゴールが見えた。近づいていくと男のゴールだった。

男は妻と子に歩きながら別れを告げた。

[作]山田まるお


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