−宇宙人−


「あなた、仕事もしないで何処行ってたの!こんな時間まで」宇宙人の奥さんが玄関で、宇宙人の亭主に言った。
宇宙人の亭主がこたえた。
「今日は地球に行って、オゾン層に穴をあけて、釣り糸をたらしていたんだ、文句あるか?」
宇宙人の奥さんが言った。
「地球みたいな汚い星に魚なんかいるはずないでしょ。 魚つりもいいですけど、働いて家のほうにもお金を入れてもらいたいわ」
宇宙人の亭主が言った。
「いたよ 1匹釣ったんだ、小さいけど」
宇宙人の子供も玄関に出てきて言った。
「お父さんお魚釣れたの!僕、お魚見るの初めてなんだ」
クーラーボックスの中をのぞきこんで子供が言った。
「へー これが魚か、でも死んでるよ 僕、生きてる魚が見たかったな」
宇宙人の奥さんが子供に言った。
「魚はね 空気が無いとところでは生きられないのよ」


−地球人−


砂漠で少年が一人 おなかをすかして歩いていた。
ふらふら歩いていると 空から、うまそうな肉が落ちてきた。
少年はそのうまそうな肉に食らいついた。すると、少年の上唇に針を刺したような痛みが走った。
その瞬間、少年は宇宙までとばされた。
「やっぱり地球じゃ、小魚しか釣れないな」そう言って釣人らしき宇宙人は少年を持ってきたクーラーボックスの中に入れた。

[作]山田まるお


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